It's my life byドラゴンスネィク団

まだまだ酷暑が続きそうです。

episode 9 西田洋介

久しぶりの続編です。

 

しばらくしてから英二が俺に言ってきた。

「この前の話なんだけど、修学旅行が終わった次の土曜って言ってきたよ.どうする?」

俺は「ん?大丈夫だよ。でも洋介には言わないでね。俺も言って無いから。」

「わかった。じゃあ、相手にそう言っておくよ」

そして英二と別れた。

修学旅行は栃木県の日光に2泊3日の日程。

同区にある小学校が複数同時に行く。

近隣過ぎない程度の距離にある小学校同士で。

 

ほとんど内容は覚えて無いが観光名所を巡りやたら歩かされたのは覚えてる。

 

そして、この修学旅行で人生初となる事件が起きた。

行く先々で同区の他校と一緒になる。

当たり前のことだけど。

特にケンカとか問題を起こした訳ではない。

 

日程をこなして、宿泊先に戻り夕食やら風呂やらを経て自由時間になる。

定番のトランプやら枕投げやらで遊んで初日は寝た。

事件は2泊目の夜に起きた。

 

前日と同じく夕食やら風呂を済ませてからの自由時間。

お土産でも買って帰ろうと宿泊先の売店に向かった。

でも家族にお土産を買って帰っても兄弟も同じところに行ってるし意味が無いかなぁと。

やっぱり買わずに戻ろうとしたその時だった。

 

突然、見ず知らずの女の子から声を掛けられた。

「すみません、名前を聞いても良いですか?」

「ん?俺?ん?誰?」

疑問符しか出てこない俺。

すると、その女の子は同区の他の小学校の生徒だと言ってきた。

「ちょっと渡したい物があるんですけど」

「ん?俺に?ん?何?」

映画や漫画でよくあるケンカの始まるパターンかなと思った。

その時、たまたま洋介が側に来た。

「どうしたの?」話しかけてきた。

「別に何でも無いよ、気にしないで買い物しとけよ。でもこんなとこで万引きすんなよ」と皮肉交じりに洋介を遠ざけた。

そして俺は見知らぬ女の子に

「ごめんね、アイツ変わっててさ、で、渡したい物って何?」

すると女の子はおもむろに手紙を俺に差し出した。

受け取ると同時に女の子は去って行った。

 

んーやっぱり呼び出し状かと。

よくあるパターンだなぁと思っていたら、また洋介が近寄ってきた。

「何だったの?手紙って呼び出し?」

俺は「お前にはカンケー無いから安心しろよ、大丈夫だから。」

すると洋介は「見せてくれよ、ケンカなら一緒に行こうぜ」

俺は「見せる訳ねーだろ。お前にはカンケー無いって何回も言わせんなよ」

と言い放ち売店から部屋に戻った。

 

手紙を開けてみたら死ぬほど驚いた。

 

人生初のラブレターだった。