It's my life byドラゴンスネィク団

まだまだ酷暑が続きそうです。

episode 14 西田洋介

明くる日、俺は自分から洋介のトコに行った。

「お前さ、清彦ともう1人坂八に友達いるって言ってたじゃん?誰だっけ?」

洋介は「加賀谷だよ、清彦とは小学校に入っても遊んでたけど、加賀谷とはあまり遊んでなかったから俺のこと覚えて無いかもしんない。」

 

「加賀谷ね、ありがと。」

 

「何だよ、また隠し事かよ?」洋介は言った。

 

「いや特に隠し事じゃあ無いよ。気にすんなよ。あとまだ誰にも言うなよ、俺も転校するかもしんない。夏休み中に引っ越す事になったんだってさ。」

「マジで?ドコに引っ越すの?」と驚いた様子の洋介。

「知らん、聞いてない(笑)でも店があるからそんなに遠くには行かないとは思う。だから、誰にも言うなよ。」念を押して洋介と別れた。

 

俺は清彦の件をどう解決するか考えた。

直接、笹山に言ったとしても、その後に清彦が更なるいじめにあったら意味が無い。

清彦が本当に被害に合ってるのかさえ分からない。

何から始めれば良いのか。

とにかく事実を確かめようと。

俺は学校から帰って1人で坂八小に向かった。

頼みの綱は顔も知らない「加賀谷」だけだと。

ちゃんと話してくれるかはわからないが、笹山に接触する前に話をしてみようと。

 

先週、笹山とケンカした坂八小の横の公園の入り口でずっと立っていた。

30人くらい居た野次馬の誰かしら通ると思ったから。

けど清彦とは会ってはいけない。

しばらくしたら俺の顔を見て「あっ!」と言う奴が居た。

俺はすかさず近付いて公園の中に連れて行った。

肩を抱きながら「お前、土曜にココに居たよな?俺の事分かるだろ?」とカマを掛けた。

すると「うん」と答えた。

「ちょっと頼みたいんだけどさ、加賀谷って奴をココに呼んできて。もちろん1人で来させてくれよ。適当な事言ってさ。」

「加賀谷?笹山じゃないの?」と聞かれた。

俺は「あぁ加賀谷。加賀谷だけ連れてきて。他の奴に俺が来てること言っても良いけど連れてくるのは加賀谷だけな。」

「わかった、連れてくる。」 ちょっとビビってる様に見えたから俺は追い打ちを掛けた。

「悪いね、一応ランドセル置いてってくれる?万が一、テキトーな事されたらお前だけをずっと狙うから。」

 

ランドセルを置いて、また坂八小に戻って加賀谷を呼びに行ってくれた。

10分くらいして、その子と加賀谷らしい男子がが公園に2人できた。

俺より少し背が低かったが体型は似ていた。

少し険しい表情で向かいあった。

「ありがとうね、もう君は帰って良いよ。学校に戻らずに家に帰れよ。」

そう言いながらランドセルを渡した。

 

そして俺は加賀谷に言った。

「お前が加賀谷?俺は秋咲。土曜に居たよな?」

すると加賀谷は

「居たけど、何の用だよ?何で俺の名前知ってんだよ?笹山は負けたけど俺は負けてねぇからな。」

少し興奮してる様に見えた。

「お前らの中で1番強い笹山は俺に負けたよな?お前らのルールじゃ弱い奴は舎弟になるんだろ?なのにお前にケンカ売る理由なんか有るわけないだろ。弱い者イジメは趣味じゃ無いから。」軽く睨みながら加賀谷に言った。

「じゃあ、俺に何の用だよ。」と加賀谷。

俺は顔を緩めながら

「そんなに構えるなよ。ちょっと確かめたい事があって話を聞きに来たんだよ。」

「ココじゃ人目に付くから裏に行こうぜ。」

加賀谷を公園の裏に連れて行った。