It's my life byドラゴンスネィク団

まだまだ酷暑が続きそうです。

episode 11 西田洋介

呼び出された場所に着いた俺と英二。

てっきり1対1のケンカだと思っていたがアウェーに行く事の危険を知る事になった。

パッと目に付いただけで30人は居た。

みんな手には金属バットや木刀、何故かエアガンを持ってる奴も居た。

俺は衝撃を受けた。

まるでドラマのようだと。

小学生だが、皆が道具を手にして待ち構えている様子はカルチャーショックだった。

中には学ランを着た中学生が2人居た。

すると中学生が俺に近づいてきた。

「お前ら2人で来たの?根性あるな」と

笑った。

「笹山は中学に入ったらアタマ張る男だから、まぁ頑張れよ(笑)」と言い放ち去って行った。

 

俺は英二に言った。

「笹山っていうの?どいつ?」

英二は「うん、笹山裕一。真ん中にいる太った奴だよ」

「そっか、もう英二は帰って良いよ、後は大丈夫だから」と俺は言った。

そうして英二は帰って行った。

すると周りの奴らが

「お前、仲間帰らせて1人かよ!なめんじゃねぇよ!」と騒ぎ立てた。

よく見ると公園の奥には女子も10人くらい居た。

すると奥から1人近づいてきて

「もしかしたら流次?俺分かる?」

俺は相手を見ながら記憶を呼び戻した。

「ん?清彦?」

「久しぶりだね!でも今日はケンカだから話はまた今度だね」と。

清彦は自営業の俺の親の店のはす向かいの和食屋の息子。

保育園くらいの時はしょっちゅう遊んでいた。

偶然だが清彦と洋介は同じ保育園だったらしい。

笹山が近づいてきた。

「俺が笹山、お前が志田一小で1番強いんだろ?勝負しようぜ」

俺は「1番かどうかは知らんけど、売られたケンカは買うよ。けど一つだけ約束してくれ」

笹山は「何?」

「今回のケンカで勝っても負けても英二は関係ないから、英二には余計な事しないでくれよ」

俺は笹山を睨みつけながら言った。

笹山は「わかった、それも筋が違うから英二には何もしない」

俺は「それだけは頼むよ。で、誰が俺とケンカすんの?全員?それともお前?」

笹山は「俺とタイマンだよ、周りの奴らは見てるだけだから」

「そっか、じゃあ始めるか」と言った瞬間に笹山の◯◯◯目掛けて右のアッパー気味の一発をくらわせた。

もがき苦しみながら倒れこむ笹山。

一瞬で黙った野次馬たち。

倒れ込んだ笹山に馬乗りになり殴り続けた。

「まだやるか?」との問いに笹山は首を横に振った。

「じゃあ俺の勝ちでいいか?それなら帰るぞ」

笹山は小さく頷いた。

周りの奴らが笹山に駆け寄り声を掛けるが笹山は動けなかった。

帰り際に「清彦!またな」と別れを告げ俺は帰った。

 

しかし、笹山や清彦との長い付き合いが、この時から始まる事は誰も知らなかった。

 

俺には4つ離れた兄貴がいる。

実はケンカに行く前に兄貴に聞いていた。

「自分より背の高い奴やガタイのいい奴とケンカする時、どうすれば良いん?」

兄貴は「最初に◯◯◯に一発入れたら大抵のやつは動けなくなる。あまり思い切り入れると死んじゃうからジャブより、ちょっと強めかな」

役に立つ助言だった。

 

因みに◯◯◯とは金的ではありません。

そんな卑怯なケンカはしてません。