It's my life byドラゴンスネィク団

まだまだ酷暑が続きそうです。

episode 12 西田洋介

週が明けて学校に行くと英二が声を掛けてきた。

「流次、ケンカどうだったの?大丈夫?」

俺は「とりあえず勝ったよ、んで今後も英二には何もしないって約束もさせた。だから笹山に何かされたらスグに教えてな。」

すると英二は「多分、大丈夫だと思う。二学期の終わりにはオランダに行くハズだから。」

「そうだったね、また日本から居なくなるんだよな…日本に居る間は楽しく行こう」と言うのが精一杯だった。

すると嗅覚が鋭いのか、何なのか分からないが洋介が近寄って来た。

「流次、何を隠してんだよ?」と唐突に迫って来た。

「別に隠してる訳じゃ無いよ、知りたい?」

とニヤケながら俺は洋介に言った。

洋介は「なんだよ、言えよ。」

俺は「どうか教えてくだちゃいって言ったら教えてやるよ」と更にニヤケて言った。

「あっ?じゃあいいよ、聞かねー」と洋介。

「あっそ、じゃあ言わない(笑)」と俺。

シビレを切らしたのか洋介は「教えてくだちゃい」と俺を睨みながら言った。

俺は「あっ?教えてもらう態度じゃねぇだろ?」と洋介を睨み返すと同時に右肩が上がりかけた。

すると横から英二が「終わったんだから教えてもいいんじゃない?」と俺をなだめた。

「大した事じゃねえよ、坂八の奴に呼び出されて、返り討ちにしただけだよ。」

すると洋介は「坂八?坂八って星岡清彦って居なかった?」

俺は「清彦の事、知ってんの?何で?」

洋介は「清彦は幼稚園の時に一緒で良くアイツの店に食べに行ってたんだよ、流次の親の店の反対側だよ」

「あと加賀谷ってのも坂八だと思う。よく3人で遊んでたから。」

「ふーん、そうなんだ。清彦は俺も小さい時から知ってたよ。加賀谷ってのは分かんないけど居たのかな?」と英二に顔を向けた。

英二は「んー笹山以外は塾が一緒じゃないから分かんないや」と答えた。

「で、どうだったの?」と洋介が聞いてきた。

俺は半分呆れた表情で「話聞いてた?返り討ちにしたって言ったじゃん。笹山って奴と1対1で勝負したよ。周りに野次馬みたいなのが30人くらいと中学生も居たけどね。」

すると洋介は「何で俺も連れてってくれなかったんだよ!水臭いじゃんか。ガクも呼べば絶対に来たよ」と詰め寄ってきた。

「相手が1人だったからだよ。ゾロゾロみんなで行ったってしょうがないじゃん。ケンカ売られたのは俺なんだし。」

「次にこんな話があったら絶対に声掛けてくれよな!」と鼻息の荒い洋介。

「お前、ケンカ弱いじゃん、向いてないよケンカ。だから次にこういう話があってもお前にだけは内緒にする」とニヤけて言った。

タイミング良く授業のチャイムが鳴った。

「じゃあな」と洋介から離れ英二と教室に向かった。

実際問題、洋介には持病がある。

だから本意気の争い事に巻き込むのは、お袋さんに申し訳無いと思っていたから敢えて突き放した。

成長と共に持病の発作は収まっていたが…

 

それから暫くして俺の生活も変わる事になった。

激変すると同時にパンドラの箱を開ける事になる。