It's my life byドラゴンスネィク団

まだまだ酷暑が続きそうです。

live or die 4

そして迎えた手術当日。

午後14時から開始。

もちろん食事は抜いて手術を待っていた。

そしてストレッチャーに乗せられ、病室から手術室へ移動。

その時、何も知らずに見舞いに来た同級生10人くらいと鉢合わせた。

悪ノリの奴ら

「死なないで!生きて帰ってきて!」の連呼。

外来の患者さんたちはキョトンとしていた。

 

手術開始前に医者から軽い説明を受けた。

局部麻酔を肩から打ち感覚が無くなり次第始めると。

顔にガーゼを被せられて麻酔を打たれた。

間をおいて、「痛みはあるか?」と聞かれたが感覚は無くなっていた。

そう答えると手術が始まった。

ギプスを外し、先ずは骨を固定する為にドリルで穴を開け骨と骨を固定する。

回転音が手術室に響き渡る。

作業が終わると、今度は切れていた神経をちゃんと繋がる作業に入った。

医者が話しかけてきた。

「お前、悪ガキなのになんであんなに見舞いが来るんだ?」

「珍しいんじゃねぇの?俺がベットで大人しくしてるのが」と俺。

「普通、お前みたいな悪ガキしか見舞いに来ないのに、普通の子もたくさん来るなぁ」と。

「俺は学級委員だからな(笑)クラスも学校もまとめてるから(笑)だからじゃね?」と俺。

「まぁ警察は誤魔化せても医者は誤魔化せ無いからな。この折れ方はチャリじゃ有り得ないから」

「少し大人しくなるように、自分のした事の顛末を見せてやるから反省しろよ」と言いながら

顔に被せられたガーゼを外した。

「自分の骨を見てみるか?」とニヤつきながら医者は言った。

好奇心旺盛な俺は「自分の骨は歯しか見れないから見てみたいな」と答えた。

医者は「お前、根性あるな」と笑いながらベットのリクライニングを少しあげた。

そしてL字に切られた自分の皮膚が捲られていた。

そこから真っ白な骨が見えた。

当然の如く、周りは鮮血の状態。

「どうだ?」と聞かれ

「ホントに真っ白だな」と俺。

「これからリハビリをシッカリやらないと指も手首も曲がらなくなるからな、長く掛かるけど頑張れよ」

「んで、単車は免許をちゃんと取ってから乗れよ」

「打ち所が悪かったら死んでたからな」と言い手術は終わった。

そして2人部屋という個室に戻った。

麻酔が切れると激しい痛みが左手を襲う。

しかし耐えに耐える俺。

痛みは一晩中続いたがナースコールを押す事はしなかった。

点滴を変えに来た看護師さんが俺の様子を見て

「ホントは凄く痛いんでしょ?」と聞いて来たから、俺は「大丈夫、耐え切れる」と強がった。

「まぁまぁ無理しないで、痛み止め出すから」と言って部屋を出て行った。

そして戻って来た時に手にしていたのは座薬だった。

ニヤニヤしながら「大丈夫、みんなには言わないからね」と。

左手を固定されてる俺は委ねるしか無かった。

1番の屈辱だった。

単車は止めようと心に誓った。