It's my life byドラゴンスネィク団

まだまだ酷暑が続きそうです。

episode2 西田洋介

いつものように学校が終わり、ランドセルを置いて洋介の家に行った。

すると洋介のお袋さんが

「流次、いつも遊んでくれてありがとうね、お願いがあるんだけど…」

「どうしたの?なんかあったの?」

と尋ねると

お袋さんは

「洋介は病気を持ってるから、もし遊んでる途中に倒れたら、口にハンカチを突っ込んでくれる?」

訳が分からないがとりあえず「うん」と返事をした。

「それから10円を渡すから、すぐに救急車を呼んでね」と。

全然、把握出来なかった俺は、またも「うん」と返事をした。

 

*当時はビニール製の名札で裏に小銭が入るようになっていた。

現在では、個人情報や児童保護の為に名札も存在しないと聞く。

 

そして洋介と遊びに行き暗くなる前に家に帰り穏やかな日常を過ごした。

 

その何日か後に、洋介のお袋さんが言っていた事が起きた。

 

朝礼の最中に、突然、洋介がバッタリと後ろに倒れた。

そして痙攣を起こして苦しんでいる

俺はお袋さんが言ったように、口にハンカチを突っ込んだ。

幸いにも小学校の朝礼中の出来事だったので先生たちが迅速に対応して事なきを得た。

 

その日の夕方に洋介の家に様子を見に行った。

 

お袋さんは「流次、ありがとうね。洋介は助かったよ」と。

何事もなかったように洋介は姿を見せ、洋介の家の前で2人で喋っていた。

 

すると洋介は

「流次、コモダショピングセンターに行こうぜ」と切り出した。

俺は「何で?行っても何も買わないじゃん?」

「いいから行こう」と洋介は歩き出した。

洋介の家から徒歩で3分くらいの場所にコモダショピングセンターはあった。

そして、ぶらぶらと店内を歩きお菓子コーナーを見ていた。

何も買わずに居たが、俺は当時80円くらいだった「ビッグワンガム」シリーズが大好きだった。

戦艦や戦闘機の簡単なプラモが付いていたから。

しばらくして洋介の家の前に戻った。

すると洋介はポケットからチョコを出して

「流次も食べる?」と。

チョコは余り好きでは無かったが

とりあえず貰った。

そして家に帰った。

事件は次の日に起きた。