It's my life byドラゴンスネィク団

まだまだ酷暑が続きそうです。

episode1 西田洋介

捜索願い事件からほとぼりも冷めないウチに

俺たちは、またやらかす。

 

またまた洋介が言ってきた。

「流次、アスレチックって知ってる?行ったことある?」

4歳まで千葉の田舎に住んでた俺はアスレチックなんてワードを初めて聞いた。

「何それ?行ったこと無いよ」

洋介は

「じゃあ行こうぜ!地下鉄で行くから100円は要るからね!」

「わかった!じゃあ行こう」と俺。

家に帰り、母親に電車代を貰い洋介の家まで行った。

当時の地下鉄は初乗りが100円くらいだったと思う。

とにかく100円で子供運賃で往復できた。

洋介の家から5分ほどで地下鉄の駅がある

 

4つ先の駅で降りて、そこから徒歩。

初めて行くアスレチックにウキウキな俺はどんな内容かを洋介から聞きながらアスレチックを目指した。

山を利用して様々な遊び場があった。

 

入り口には売店もあり、地元の小中学生がたくさん遊んでいた。

思い切り遊びまくった俺たちは、体力を使いまくっていた。

さすがに遅く帰ると、前回の件もあるので怒られない時間に帰ろうと言う事になった。

学習能力はあったと思う。

 

しかし、そこには罠が待っていた。

 

入り口の売店を通り過ぎる時に洋介はこう言った。

「流次、ノド乾かない?ジュース飲んで帰ろうよ。」

「ノドは乾いてるけど、電車賃が無くなるから買えないよ」と俺。

しかし洋介は

「歩いて帰れば大丈夫だよ、飲もうぜ」と。

「そうだね、遅くならなければ大丈夫だしね」

 

当時、ビンのコーラが50円だったと思う。

2人でコーラを飲み干し、歩いて帰る事にした。

地下鉄で帰れば、駅からの道は覚えていたが初めて行った土地で道が分かる訳が無い。

しかし俺たちは道行く人に、帰り道を聞きながら歩き続けた。

だいぶ日が暮れてきて、すれ違う人もまばらになった。

本格的に道に迷った。

神は俺たちを見捨てなかった。

歩き続けていたら赤く光るランプを見つけた。

交番だった。

俺たちは普通に家までの道をお巡りさんに聞いた。

コレで帰れる。そう思っていた。

 

しかし大人の判断は違っていた。

お巡りさんは子供が歩いて帰れる距離では無いと判断し、洋介の家に電話をしていた。

小学校にも。

当時はマイカーを持つ家などは多くは無く、俺の家も洋介の家も車は無かった。

結局、お巡りさんが洋介の家まで送ってくれる事になり、またまたパトカーに乗った。

 

洋介の家に着きお巡りさんにお礼を言って、走り去るパトカーに向かい俺は一言。

「バイバーイ」と。

 

すると洋介の親父が

「バイバーイじゃねぇ!このバカガキ共が!」と言いながら2人の頬を引っ張たたいた。

さんざん怒られて俺は家に帰った。

 

まだまだやらかし続ける俺たちだった。