失われた記憶

人は様々な経験から物事を覚え、その分忘れていく。

中には記憶から消したいモノもあるが、その類に限ってふとしたキッカケで鮮明に思い出してしまう。

そんなノスタルジーに浸ると我を失ってしまう。

そしてアルコールへと逃げる自分がいる。

そんな事の繰り返し。

残酷にも時は止まらない。

しかし、記憶の中で時は止まったまま。

己の弱さと向き合い自問自答を重ねる。

人は神にはなれない。

人は人であり、脆い精神と強い精神を保つにはまだまだ時間が必要だと。

iPhone4をiPod代わりに使っている。

iPhoneのメモリに残っている笑顔、仕草、笑い声、泣き声、楽しげに歌う声。

聴くたびに鮮やかな記憶が蘇る。

ランダムにミュージックを流していると一緒に歌った曲が流れてきた。

残酷であり喜びでもある。

忘れてしまいたい事や

どうしようもない寂しさに

包まれた時に男は酒を呑むのでしょう

河島英五がそう唄っていた。

過去があるから現在があり

現在を過ごせるから未来がある。

全て欠けてはならないもの。

悪いのはあの日の俺か…

それとも良かったのか…

答えは解らない。

今は健やかな成長を願うだけ。

そう思えば少しは気がラクになる。

会いたい気持ちと会えない気持ち。

なんだか今日は酔えないかもしれない

たまには現実逃避をしたい。

また明日から「日常」が戻るから。

その有り難さをより感じる為に

今日があるのかも知れない。

ふと誰かに言われた言葉を思い出した。

「頑固と意固地は似てるけど違う。アナタは意固地になりすぎる」と。

何故か思い出した。

白黒付ける性格は、いつからかそうなっていた。

もう、この歳で性格は直せないかも知れないが物事を引いて考える様にはしている。

素直な想いを解き放てるなら

声を聴きたい。

抱きしめたい。

会いたい。

側に居たい。

手を繋ぎたい。

全て叶わぬ事ばかり。

たまには弱音を吐いても許されると信じてる。